2010.05.20 Thu
湊かなえ『告白』読了
監督中島哲也、主演松たか子による2009年本屋大賞受賞作「告白」がまもなく公開される。
既に読んでいたのならいざ知らず、公開前に敢えて原作本を読むことはしないようにしている。どうしても読後感を引きずって映画を見てしまうからだ。
「ゴールデンスランバー」も原作本は購入していたが、読んだのは映画鑑賞後だった。
それでも、この作品はどうしても映画鑑賞前に読んでみたかった。なぜなのかは自分でもよくわからないのだけれど・・・
中学1年の担任女性教師の愛娘が校内で事故死する。終業式の日のホームルームで彼女は、ある告白を始める・・・
全6章からなるこの小説は、この事件を母親である女性教師、クラスメイト、犯人とその家族の『告白』でつながっている。全編モノローグ形式なのだ。
ちょっと異質な文体がページをめくる手を止めてくれない。久しぶりに一気読みしてしまった。
何ともいえない読後感だった。
今の日本が抱えている暗い闇の部分を取り上げているこの作品を「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」の中島哲也監督が手がける。これまでの作品に共通する独特の映像表現が、この原作にも使用されるのか?娘を殺された女性教師森口悠子を松たか子がどう演じるのか?前者の方は勘弁してほしいが、後者は期待感一杯だ!37名の教え子を前に淡々と厳しく断罪していく、こんな緊張感あるシーンは彼女なら間違いなくこなすのだろう。
映画「告白」も楽しみだが、湊かなえの他の作品も読んでみたくなった。
| 映画よもやま | 22:52 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑