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11月例会
『婚約者の友人』(2016年フランス・ドイツ映画)
  上映時間:1時間53分
2018年11月10日(土)呉ポポロにて
①12:50 ②15:30 ③18:30 の3回上映
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沖縄スパイ戦史

私はなんと無知なのだろう。
本当に物事を知らずに生きてきている。そのことを突き付けられた。
沖縄が、複雑な歴史を背負わされているという認識はあったが、じゃぁどういうふうに?との問いにはうまく答える自信はなく。
しかし本作を観れば、その問いの回答の根源にあたる部分に触れることが出来るのではないか。


1沖縄


沖縄で、「護郷隊」という軍の組織を組まされたのは全員10代半ばの少年達。とりまとめたのは陸軍中野学校から送られた20代のエリート陸軍将校たち。
陸軍中野学校とえば、機密を取り扱ったり、スパイを養成したりゲリラ戦を学ぶ場所だ。
少年達も、当然その教育をされる。
何も知らない少年としてアメリカ軍に保護され様子を観察してきたり(でもすぐバレる)。
何故少年かといえば、少年だと、相手の警戒心を煽りにくい、それから親をはじめ地域住人の協力を得やすいのだという狙いがあったらしい。
しかし、日本軍はどんどん追い詰められ、既によく知られているように食糧も医療も途絶え、逃げるにしても負傷者は置いて行かれるのでは無く殺されていた。アメリカ軍に保護され秘密が漏れるのを恐れたためという。体のみならず精神を病んだ子はリーダー的な存在の陸軍人から射殺もされた。それをみていた人も居て作品の中で語っている。
また軍が解体され、武器も食糧もなく山奥に残った兵士達は「敗残兵」と呼ばれ、地域住民のスパイ疑惑リストを作り、リストの上からどんどん殺していったという話も。敗残兵達は、「住民が敵に捕まればスパイになる」という恐怖に支配されていたのだ。

「知ってるよ。アメリカ軍じゃなくて友軍から殺されるんだもの」「あの時は、あそこで二人殺されたね」と語る女性。
では、そのリストはどうやって作ったのかということと、この時代の軍といまの自衛隊の組織としての全く変わらない意識、学ばない姿勢に言葉を失いました。(敢えて書きますが自衛隊員を非難しているわけではありません)
基地があることのリスク。基地を持つということの意味。
私は全てが腑に落ちました。
呉という土地柄…なんだか言えない雰囲気もあるけど、戦争をなぜしてはならないか、なぜ基地を作ることに反対するのか。一言では伝えられません。
波照間島での出来事も初めて知り。本当に衝撃的でした。

分かりやすい作りで、監督二人の語りも聞き取りやすいので最後までしっかり観ることが出来ました。
戦争に巻き込まれ、家族を奪われ、人生を奪われ傷付けられ。
今。その実体験を語れる生身の人が居るぎりぎりのタイミングなのだろうと思います。
だからこそ、色んな人に観て欲しい1本です。
個人的には三上さんの作品の中でいちばんよかったです。

***もん***

| 事務局より | 05:15 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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