次回例会は
『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年英・仏・ベルギー映画)
  上映時間:1時間48分
2017年11月18日(土)呉ポポロにて
①12:50 ②15:30 ③18:30 の3回上映
公式サイトはコチラ

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『希望の国』

園子温監督の作品。
実は園子温監督の作品はチョット苦手としていたのですが、この作品は是非観てみたかった。

東京電力福島第一原発事故を経験した後の日本のどこかで再度原発事故が起きたという設定。

細かいことを言えば(でも大事なこと)おかしい点はいくつもあります。。
たとえば神楽坂恵演じる小野いずみがガイガーカウンターで野菜の汚染度を測ろうとしていましたね。

1255_08P2.jpg



これ間違い。
ガイガーカウンターは空間線量を測る機械ですので、食べ物の汚染度は測れません。
(某大手コンビニも、野菜や牛乳の隣にガイガーを置いて「汚染されていません」とドヤ顔でしたが測れていません。数値として出ているのは空間の線量です)


また、夏八木功演じる小野泰彦が、いずみや息子の洋一に「これを読んで原発のことを勉強して」と渡した数冊の本の著者が。。。。


でも、大きな枠としては原発事故によるさまざまな問題が詰まった映画であると感じました。


国や多くの医者が嘘をついているというのは多くの国民が感じていることだし、その中で学ぶのはやはり過去の事象からしかないと個人的にも思っています。


泰彦の理解のある姿はすごいな、と感じました。(理解がありすぎるくらい)
今回の原発事故は、男女の違いをクッキリ露呈させた、またさせ続けていることでもあると思います。
泰彦は福島から学び、勉強し、原発立地に反対をし危機感を抱いて生きてきた。
なのでとっさに「避難」という選択肢を示すことが出来たし、放射能は胎児に多大な影響を及ぼすことも知っていた。
今の日本は、チェルノブイリやアメリカの核実験のこと、そして原爆投下から学ぶしかないのに、なぜかそれをしない。。
汚染が目に見えないから、ということもあるでしょう。
それを表しているのが洋一の職場の男たち。
いずみが防護服を着ているのをあざ笑っています。
やりすぎだ、神経質だ、大丈夫だ、と。また「この町を否定している」とも。この発言は色々象徴していると感じます・・・

先日書いた『セデック・バレ』の感想とも通じますが、男って、そういうとこがある!ってかそういう人が多い!
論点はそこではないだろうよ・・・
命、健康より大事なものってある??
今の日本だってそういう話が多々入ってきます。
母は必死で子供を守ろうとし、マスクをさせる、食品に気をつける、メーカーに問い合わせる。。
そんな姿を「頭がおかしくなった」「世間体が悪い」と一蹴する父。。もちろんすべての家庭がそうとは言いません。

洋一も最初はテレビの唱える「安全説」側ですが、いずみの行く病院に赴き医者から話を聴きます。
医者は本当のデータを示しながらもいずみのことを「放射能恐怖症」と言い、洋一は「放射能と仲良く暮らせというのか」と反論します。この言葉、まさにだと感じましたね。。


病院で、数人の妊婦が洋一の姿を見て「あの防護服の人の旦那さんよ」と陰口を叩くシーンもありますが、やはり男性だけでなく女性でもこういう人、いると思います。
現在の東北でも放射能の話はタブーとされている地域もあるという話も聞こえてきます。
「もう、誰もマスクしていないから大丈夫だよね」
「洗濯物も外で皆干しているし」
「ここで暮らすのだから放射能のこと気にしてたらストレス」
「子供を外で遊ばせられないほうが成長に悪い」
と。。


本当は危険だと分かっているからこそ、そういうスタンスでいざるを得ないのかなと。。ものすごく切ない気持ちになります。。。


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***


洋一が両親やふるさとのことを思う気持ち、帰りたい、一緒に暮らしたいという思い。
家族の当たり前の生活と気持ちをめちゃくちゃにした原発。

泰彦や洋一のような決断を下さないといけない状況を作り足した原発。
でも原発を作り出したのは私たちです。。。。



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この牛舎でのシーンと、車から降りられないいずみ・降りさせない泰彦がのやりとりのシーンでは一気に涙が流れました。

こういうことなんだと思う。。

洋一が「どうして怖いと思わないんだ」とも言っていますが、本当にこれは不思議。
中には「原爆でも、長生きしてる人もいる」ととんでもない発言をする人もいます。。
泣くなった数十万人を全否定か、と。

多くの心身への影響、隠しても隠し切れない現実。
どうして怖いと思わない・思えないのだろう。


***


ラスト、ガイガーの数値が跳ね上がり、それを知らぬままいずみは「愛があれば大丈夫」と言います。
本当に、そうだったらいいなと思いました。


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夏八木勲と大谷直子の演技は言わずもがな、すさまじく素敵でした。



東北だけでも日本だけので問題でもない。。
でもまずは、自分自身、ひとりひとりがきちんと考えられる、愛を感じられる世の中にせにゃいけんのだろうと再度思いました。


                                         ***もん***

| 映画よもやま | 22:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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