次回例会は
『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年英・仏・ベルギー映画)
  上映時間:1時間48分
2017年11月18日(土)呉ポポロにて
①12:50 ②15:30 ③18:30 の3回上映
公式サイトはコチラ

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『FAKE』

横川シネマにて、上映最終日に駆け込み鑑賞。
ようやく観ることができた。
ゴーストライター騒動の佐村河内守氏を、あの森達也監督が撮った作品。

佐村河内守氏の「ドキュメンタリー」とかっこをつけて呼ぶ作品、な気がする。
いや、本当のところはわからない。そもそも本当、って何だ?
今、この記事は8月2日に書いている。観てから2日経つ。2日間、ずっと考えているけどが全然答えが出ない。答えなんてないのだろうけど、自分なりの答えも出ない。着地点がない。地面からだいぶ高いところをふわふわもやもやと浮いて足がつけないままでいる。

FAKE_main.jpg


映画の公式HPを観ると 「出演:佐村河内守」となっているし。
「ドキュメンタリー」と「出演」って、相対する言葉な印象があるし、なんかもう色々と監督の森達也すげえよ、としか言いようがない。
本当にすごかったんだ。
新垣隆氏のサイン会に訪れて著書にサインを頼んで名前を書いてもらうときに、「森達也です」と名乗って新垣氏が「…あっ」となって、でも一緒にカメラに収まるところとか、ことの発端となった記事を書いたフリーライターの神山氏をある賞で表彰するプレゼンターとして登壇するところとか(しかも神山氏を表彰すると知ってプレゼンターを引き受けたとか)
エピソードも行動力も、そして絵面としても相当力強い。佐村河内守よりも全く力強い。

テレビ局の人間を「あの人たちは信念とか何もない」とスパッと言いきっているシーンを本編に入れているのもその力強さだろう。編集で切ってしまおうとすれば切れるはずだけど、切っていない。

私はドキュメンタリー作品が昔からとても好きだ。
それは、作り物ではなく、生身の人間がそこにいて、作られていない日常や声や、表情や感情があるから。それが本当に面白く感じるから目が離せなくなるのだと思う。どんなに作られている物語よりも説得力を感じる。
でも何本か観ていくうちに、当然そこにはまず監督のフィルターがあり、そして「出演」している本人のフィルターがあるということを感じるようになる。

『FAKE』はそのフィルターのメが曖昧で且つ均一でなく、しかももやっとしたものが全体的にかかっている。つまり全然クリアでない。
だから私はずっと考える羽目になっているし、自分の持つ(自分という)フィルターの存在を感じざるを得ない事態になっている。

自分が何か、事象や人に対して「感じる」には理由がある。自分の中に。
佐村河内守氏がどうとか、ではなくそのことについて、自分の心の手前、触れるか触れないかという手前まで森達也監督が手を伸ばしてくる作品だと思った。

そして、ドキュメンタリーとは、「真実」「事実」を映すものではないということも痛感した。

なんと、八丁座にて8月13日から上映されるそうです。
スケジュールはこちらから
気になる方はぜひ!

***もん***

| 映画よもやま | 08:38 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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